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Femtech Tokyo(2022年10月20日〜22日)出展:生理のある人が強いられるさまざまな負担を軽減したい

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Femtech Tokyo 2022 2022年10月20日(木)~22日(土)
ビジネスデー:10月20日(木)~22日(土) / 一般デー:10月22日(土)
場所:東京ビッグサイト(東7ホール)
Femtech Tokyo 2022

Femtech Tokyo 2022に出展にあたり、商業施設・オフィス・学校・公共施設などの個室トイレに生理用ナプキンを常備し無料で提供するサービスOiTr(オイテル)を展開するオイテル株式会社様にお話を伺いました。

【FemtechTokyo事務局(以下、事務局)】まずはオイテル株式会社を立ち上げられた背景やきっかけを教えていただけますか。
【オイテル 小村大一(以下、小村)】私たちは「あなたによくて、社会にいいこと」をビジョンに、経済と社会を分離せずに社会課題を考えることをミッションとしてビジネスで社会課題を解決したいと考えており、最初に目をつけたのが、生理の問題でした。まずはアンケートの実施や身近な女性に話を聞くことから始めました。その中で多くいただいた声の一つに「トイレの個室内でナプキンが受け取れたらいいのに」ということ。従来はトイレの共用部分に置いてあったり入口近くに自動販売機が設置されていたり、でもそれらは結局個室の外ですよね。用を足すときに生理に気づくことがよくある、持ち合わせがないときはトイレットペーパーをショーツの中に詰めて外に買いに行くというのを聞き、これは大きな問題だと感じました。同じ生理現象で言えば、トイレットペーパーはどこでも無償で置かれているのに、どうして生理のナプキンは置いてないの?という声を聞いたときは本当に衝撃を受けました。女性は気付かぬうちに大きな負担を抱えていると気づき、個室の中でナプキンを受け取るようにしようと考え始めました。今でこそ、生理の貧困という言葉が広く認知され、金銭面を言われることが多いですが、弊社のスタートは、急に生理が来てしまったときの精神的不安や、外へ買いに行かなければいけない負担を少しでも軽減したいということです。

【事務局】「トイレットペーパーと同じように無料で、安心して当たり前に受け取れるようにしたい」という御社の想いをどのようにしてビジネスに結びつけたのか教えていただけますか。
【小村】頭の中でイメージがパッと浮かんだのが、タクシーのサイネージ広告でした。理由は大きく二つありまして、一つが、あの個室空間で画面を視聴することによる認知度の高さ、もう一つがターゲティングです。例えばタクシーを頻繁に使う方は、役職者や、事業上の決裁権とかを持っている方が多いので、ビジネス広告が多く入っているということ。同じ考え方で主に設置するのは女性用トイレであり、加えて各施設で世代や属性でのターゲティングもできるのでサイネージ広告ビジネスに結びつけようと考えたのがOiTr(オイテル)のスタートラインです。





【事務局】すごく新しい視点ですね。御社がサービスのご提供を始めたときは、他に同じようなサービスはなかったと思いますが、新たにビジネスを始める際に、広告主様を募集する必要があるかと思いますが、その辺りはすんなりといきましたか。

【小村】映し出す画面の数が少ないと広告主としても広告出稿の価値が出ないので、私達はどちらかというと設置に力を注ぎました。最初に実証テストという形で、三井不動産様にご協力いただきららぽーと富士見で5台設置させていただきました。結果、ららぽーと様への導入が決まり、そこから口コミで広がりたくさんの反響をいただきました。設置したいというお声がたくさん届き、とても嬉しかったです。これまで設置については、ほぼ弊社からの営業活動はしておらず反響営業やご紹介等の形で設置が決まっています。ときを同じくして設置が決まっていくことによって、広告主様から直接問い合わせが来て、広告出稿したい声も増えております。広告担当者が女性でたまたま出先のトイレで見て自社の広告を出したいと言っていただく事例もあります。

【事務局】設置している施設としては、どういうところが多いですか。

【小村】カテゴリーとしては、商業施設と大学が多いです。商業施設は不特定多数の方が利用しますので、施設としてのサービスとして、またSDGsへの取り組みがお客様に直接アピールできる環境として設置いただいております。お客様からすれば無料で受け取れるという経済的な安心もございますが、何より安心して外出いただけます。ショッピングモールなどの商業施設は滞在時間が長いですし、何時間も過ごす場所でいつでも安心してナプキンが受け取れるというのは、弊社の一つの目的でもある「安心して出かけられる社会」を築けるきっかけになると考えています。大学では、同じくナプキンの持ち合わせがない時の負担軽減もありますが、生理の貧困という問題も大きいですね。コロナ禍でアルバイトが減ってしまい収入が減った学生さんにとって経済的にもすごく役立っているという声も耳には入っております。また、OiTr(オイテル)はスマホアプリを鍵にしているので、生理の貧困という課題に対して「お金がないならスマホを解約すればいい」という声をよく聞きますが、これは本当に大きな間違いだと考えています。現代では食事を差し置いてでもスマホを持ってないと就職活動もできない、コミュニティツールも一切なくなってしまう、衣食住と同様に欠かせないライフラインであって、それを生理の貧困に結びつけるのは全く違います。お金だけではない負担がたくさんあるということをわかってほしい、ご理解いただきたいですね。

【事務局】私は使う側なので、やはり安心感が大きいと感じます。トイレの個室に入ってから生理に気づいたときの不安が取り除かれますよね。

【小村】実際に企業様でも福利厚生という形で導入いただいております。安心感はもちろんのこと、ナプキン買いに行く時間や負担が経済的損失にも繋がるので、そういった女性の気持ちや健康経営を考えたときに、福利厚生として導入することにとても価値があるというご評価をいただいおります。


【事務局】
今どれくらいの施設で設置されていますか。

【小村】施設数で言いますと、2022年7月末で158施設、設置台数は2100台、アプリダウンロード数は8月中旬に30万ダウンロードを突破しました。ローンチしてから8月でちょうど1年ですがニーズがあると実感しています。広告宣伝は一切していないので、ほとんどの方がトイレで利用するためにインストールされています。SNS等で話題にしていただいたおかげで知っていただきこの事業を応援するために先にインストールしておく方という方もおられます。また広告主様も女性にターゲットを絞られた広告を出したい企業だけではなくバラエティーに富んでいますね。生理関連でPMSのサプリメントや、女性に紐づく商品やサービスが多い一方で、SDGsの観点から飲料メーカー様に出稿いただいたり、ターゲッティングという部分で、通常では広告出稿が難しい大学内で学生向けに就職の動画を出したりされる企業様もいます。家の外で見るOOH(アウトオブホーム)というメディアの一番の難点は認知率の低さと、コンバージョンが取れないことですが、OiTr(オイテル)はエリアや施設別で広告を流せるので、例えば商業施設のテナント様だと自分の館を訪れている方が個室内で広告を見ますので直接売上でも紐づきますし、デベロッパー側からしても、施設内で施設の広告が流れることで、お客様の回遊数や施設の売り上げに繋がります。利用される方はもちろんのこと設置側・広告出稿側みなさんにメリットある仕組みになっています。

【事務局】改めてお聞きすると、本当に素晴らしい仕組みを考えられましたね。今まさに事業開始から1年経たれましたが、今後のビジョンや考えていらっしゃることをお話しいただける範囲でお聞かせいただけますか。

【小村】今年は半導体不足が影響していて設置台数が予定より少なくなってしまいましたが、来年以降はより早くお客様に届けられるよう生産体制を強化しています。また、スマホを持ってない方や、スマホを持ち込めない場所へも行き届けたい想いがあり対応できるように今も動いております。小学校高学年であればもう生理が始まる子どももたくさんいますし、スマホを持っていない子もいるので。小学校でも保健室に取りに行けばもらえるようにしているところは多いですが、その年頃の子が保健室にナプキンを取りに行くってすごい抵抗感がありますよね、生理用品をトイレに持っていくこと自体恥ずかしいなど、大人とは違う側面もあるので、そういうところにも手が届くといいですね。

【事務局】最後になりますが、展示会でごどんな方々との出会いに期待されていますか。

【小村】まずはOiTr(オイテル)の設置を増やしていきたいので、設置する先の販路拡大と、広告出稿にご興味いただける方に出会えることを期待しています。また、私たちはまだまだ小さい会社ですので、デバイス開発やアプリ機能に関して、人員的にもリソースが割けていません。そういう面でも、お手伝いいただける企業様とも出会えたらば、OiTr(オイテル)をさらに強くしていけるだろうと考えています。まだまだ認知は足りていないのでこの展示会をきっかけに少しでも多くの方に知っていただきたいと考えております。出展企業様はフェムテック関連ということもあって、いろいろな可能性が展示会場で広がりそうな気がしています。

記事引用元)Femtech Toyoko




 


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